Walk on the Wild Side〜ワイルドサイドを歩こうよ〜

オーダースーツから感じるルーツ

ファッションの都ミラノ。

ミラノで活躍するサルト河合さんの
博多でのトランクショーに参加してきました。

自宅の一室で仕事していた
河合さんはサルトリアを共同で借りて
仕事するようになったそうです。

お互い独立したサルトだけど
仕事場はいっしょ。

仕事も別々だけど同じ空間で仕事をする。

シェアオフィスのように
工房をシェアするというのは
すごく今っぽいですね
と本人にお伝えしました。

工房をシェアするサルトは
カラチェニの流れをルーツに持つ
おじいさんだそうで、
別々で仕事をするとはいえ
受ける影響や学びを考慮しての
仕事場の変化の選択だそうです。

選択したサルトリア自体も100年近い
歴史を持つところだそうで、
オーダースーツの最盛期の空気感などを
現場から多分に吸収するということも
含めての選択だと話してくれました。

河合さんがミラノの服飾の世界に入って
12年でしょうか。

12年前と今ではずいぶんと
風景が違うといいます。

サルトが引退し、サルトリアも次々となくなっていく。

5年くらい経つとずいぶんと変わってしまうと
言われていたので時代の変化を
キャッチしての選択なのだと思います。

当時を知る人たちが次々といなくなっていく
時代の変化を肌で感じているので
自宅の一室で仕立てるというスタイルから
一歩外へでて仕事することに
イタリアで縫うという
意味合いが大きくなってくる
と語ってくれました。

河合さん自身カラチェニでも仕事をし
今では独立して活躍し、
世界に顧客を持つほどです。

それでも満足せず、自分を律して
高みを目指す生き方には感化されます。

カラチェニと言えばイタリアを代表する
サルトリアでフィアットの会長を始め
世界の貴族や財界人、実業家、
芸術家や映画俳優など
著名人たちにファンの多いスーツですね。

そのカラチェニで働いていたとはいえ、
河合さんのスーツをみてカラチェニを
連想する人はあまりいないそうです。

それよりはもともと師事していた
コロンボよりのスーツにみえるそうで、
ルーツの大切さを話してくれました。

どこをルーツに持つかによって
ずいぶんと雰囲気も匂いも違ってきてしまう
というのは服飾の世界に限らず
共通していることのように思います。

今の生き方、作品をみてルーツを感じる。

逆に言えば、ルーツを探ると
その人自身が見えてくるとも
言えますね。

仕事でもプライベートでも
ルーツを探求していくと
コアなものをつかめるように思います。

それでは、今日はこの辺で。

また明日。

島田晋輔

PS)

今日の一曲は受注会場で流れていた
マイルスデイビスの曲を、、、



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