SWSのミッキーと個人面談していたときのこと。
沖縄にある模合という組織を教えてもらった。
場所にはよっては、ムエーとか呼んだりもするのかな、
わりと根強い風習というか興味深いシステムだった。
簡単にいうと金銭の相互扶助システムなんだけど、
金銭の助け合いだけでなくて、
コミュニケーションのツールとして、
またひとつのつながりとして
おもしろいな、と僕は思っている。
どんなシステムかというと、
個人が集まって一定額の金銭を出し、
それを1人ずつ順番に受け取っていくシステムのことらしい。
たとえば、10人で模合をはじめるとして、
設定額を1万円とする。
で、毎月、この10人で集まって
1万円ずつ出し合う。
集まった10万円は誰かが総取りする。
これを順番に毎月繰り返す。
こんな流れだそうだ。
順番にもらっていくので、
結局は自分のお金だけど、
一度にドンと入ってくる積立みたいなもので、
なかなかおもしろいな、と。
グループによって細かいルールが違う場合もあるようで、
中には今月お金が急に必要になったから、
みたいな理由でもらっていくメンバーを決めるグループもあるとか。
集まったお金からその場の飲み代を出すとか、
積み立てておいてグループみんなの旅費にあてるとか、
いろいろあるらしい。
要するに、
自分のお金を誰かに預けるシステムってことだけど、
わざわざ仲の良いメンバーでグループをつくってというのが
いいなと思って。
まあ、すぐにわかる通り、リスクとしては
自分は先にだしてもらってないけど、
模合の途中で誰かが飛んだり、
グループが続かなかったりしたら
出したお金が戻ってこないなんてことがあるからね。
さっきの例でいうと、10人で模合をやっていて、
月に1回の集まりだと、一番遅い人は10ヶ月後に
手元に戻ってくることになるからね。
その間に、誰かメンバーがいなくなってしまったら、、、
というリスクは誰にでも思い浮かぶよね。
でも、逆に僕はこのデメリットがすごくいいなと
思って。
デメリットというのは、裏を返せばメリットにもなる
大きな特徴だから、この模合のデメリットでも
考え方によっては良くなるなと。
誰かがいなくなってしまうというリスクは、
逆に言えばいなくなってしまっても後悔しないような
メンバーとグループをつくるということ
こういう風に模合を自分なりに解釈した。
もうひとつは、必ず会う前提にしてるところがいいなと思って。
一回で終わりの飲み会とかと違って、
定期的な付き合いを前提としているというところも
なかなか素敵だなと。
根底にあるのは
沖縄のゆいまーる精神だと
ミッキーは言っていたけど、
現代人には失われつつある
想いやるようななにか暖かさも感じて。
調べてみたら18世紀の琉球王国時代からある風習みたい。
ミッキーも知らない人がいるなんて!と、
驚いていたぐらいで、
沖縄では一般的な風習らしい。
定期的な飲み会だから男だけのものかと思ったら
そうでもなく、女性だけの模合グループみたいなのもあるみたいで、
お酒を飲まなくてもカフェでお茶会みたいな場合もあるとか。
参加できないときは、
わざわざお金だけ振り込むということも
普通らしい。
そこまで金銭の相互扶助が徹底されたシステムなんだね。
もちろんオトナの風習だけど、
学生の頃からわりとみんなに浸透していて
卒業と同時に模合グループをつくることが多い
って言っていた。
「ちょっとモアイいってくる!」
みたいな感じで、家庭でも一般的みたいで
模合の集まり自体が良い交流の場になってるのだろうね。
相互扶助システム、
まあ、みんなでみんなを支援をする
融資みたいな風習だけど、
個人だけでなく企業間でやってるところもあるみたいで。
企業だったらね、、、設定額を10万とか20万とかにして、
10社とかで集まったら一度に100万、200万くらいは入るからね、
まとまったお金があったらできることもあるだろうし。
あまりに一般的だから、
会計項目に模合というものがあるくらいだそうで、
内地からきた税理士さんは初めは驚くのだとか。
何年も続く模合を表彰して
新聞の一面に載ったりすることもあるらしい。
なかなか興味深いシステムだから
今後、自分で主催するグループにも
導入する予定。
現代人に失われつつある
「つながり」を前提にしているところが
興味深いね。
沖縄の文化や風習からは
たくさんの学びや気づきを得られる。
ではでは、このへんで。
また明日。
島田晋輔
PS)
今日の一曲はこちら、、、
PPS)
親指シフトトレーニング69日目。
長くなってきたので、
別ページに。
今日のトレーニングはこちら。