Walk on the Wild Side〜ワイルドサイドを歩こうよ〜

顔が揃わない

ミラノのサルト河合さんと
話していたときのこと。

アシスタントがひとり辞めてしまって
なかなか仕事が追いつかない
という話になった。

河合さんは珍しく基本的に
全てをひとりで手がけるサルト。

生地やボタンなどの素材探しから
フィッティング、デザイン、縫製、
仮縫い、中縫い、本縫い、納品、
納品後の代金の請求など事務手続きも
含めて全て河合さん自身で。

分業制が当たり前という今、
珍しいスタイルのサルトかと。

かと言って全ての仕事を自分でやるのには
無理があるので、アシスタントを雇って
時々手伝ってもらってはいる
とお聞きしていた。

ちなみに、アシスタントを経て
独立して食べられるようになるまで、、、

最低でも10年は必要

と河合さんは言う。
(最低でもというのがポイントだね)

服飾の世界は分業制が当たり前なので、
例えばボタン付けだけとか
ひとつの工程、スキルに絞って
取り組めば独立してやっていくことも
可能かもしれないが、それだと
食べていくほど稼ぐのは
難しいとのこと。

河合さんのアシスタントを務めていたのは、
バツイチのシングルマザー。

服飾の経験がない分、素直で伸び代はある
とのことだったけども、それでも十分に暮らして
いけるほどの経済的自由を得られるまでには
最低10年の下積みが必要とのことだった。

シングルマザーをやりながら
河合さんのもとでがんばっていたらしいけど、
最近やめてしまって余計に仕事がはかどらない
と嘆く河合さん。

「では、今は全てお一人でやられているのですか?」

と尋ねると、、、

「もうひとりアシスタントがいるのですが…」

ともうひとりのアシスタントの話をしてくれた。

もうひとりのアシスタントは、
半世紀近くミラノで縫ってきたイタリア人で
河合さんより経験豊富なおじいちゃんサルト。

でも、このおじいちゃんサルトが
なかなか曲者らしくて。。

何回丁寧に教えてもうまく仕事できない
とのことだった。

河合さんより経験豊富だし、
第一線で仕事してきたのだけど、
仕事観や美学が違いすぎるのだとか。

例えば、このおじいちゃんサルトに
限らずだと思うけど、イタリアでは

10メートル先から見て
見えない綻びは綻びではない


という考え方だそうで、
その点、日本人である河合さんは違う。

見えないところであっても
魂こめて美しく揃えるという
哲学を持って仕事されているのだけど、
これはどんなに伝えても
全く伝わらないのだと言う。

10メートル先から見えない綻びなんて
別にいいんじゃないの?と同じように
思うかもしれないけど、河合さんはこう言う、、、

「部分でみたら問題ないのかもしれないですけど、
全てを統合したとき顔が揃わないんですよね」


と。

パーツ、パーツでいったらきれい。

機能しているのかもしれないけど、
スーツとして完成させたときに
全体の顔が揃わない。

こういった本当に些細なところに
目を向け気を配ることで
細部にも魂が宿り、
エレガントさや手仕事の品格が
備わるのだろう。

経験豊富なおじいちゃんサルトは
河合さんより大きな仕事ができる部分も
あるのだけど、アシスタントとしては
ちょっとどうたろう、、、とのことで
なるべく全体に影響の少ない仕事を
任せているとのことだった。

このあたり人に原因を求めず、
まさしくシステムの改善だよね。

こういった河合さんの手仕事、
仕事の美学や哲学に触れることで
たくさんの学びや気づきがある。

仕事観や美学が違いすぎると
とりあえず突貫工事というか
部分を改善して提出してくる人が多いので、、、

顔が揃わないことが多い

とよく感じる。

部分しか見えていないと
顔が揃ってるのか、揃っていないのかに
気づきもしないし、気にもとめない。

それは河合さんがどんなに指摘しても
わからないおじいちゃんサルトのように。

レイヤーの違いが仕事の質に現れてきてしまうので
最近は創作物はレイヤーの合う人と行うように
心がけている。

どんなに言葉を尽くしても伝わらないものは
伝わらないし、感覚が違いすぎたら
分かり合えない。

それは相手が悪いわけではなく、
もちろんこちら側が悪いわけではなく、
システムに問題があるだけ。

なるべく曖昧な領域を排除して
スムーズにすっきりとした
仕組みづくりが大切なのだと思う。

社会や他者との円滑なコミュニケーションを
前提として、雑味を削ぎ落とすことが
デザインの本質ではないかと思う今日この頃。

視座を高く持つ必要があるね。

では、今日はこのへんで。


島田晋輔

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