From:島田晋輔
美しい動き、素晴らしい演奏、美味しい料理などにはそれ自体に物語がある
昨日の続きを。
一瞬で成果を出してしまう
世界のトップコーチの話だけど、
イーナのおもしろいエピソードを
思い出した。
イーナは中学校の時に
陸上をやっていたらしいのだけど、
15年間負けなしの
全優勝の強いチームだったらしい。
そこには木村コーチという名コーチがいて、
イーナが入学と同時に
他の中学校に赴任してしまった。
イーナが中学校3年生の大会のとき、
ついに15年間連続優勝という記録が途絶える。
木村コーチの指導を受けていない世代だからだ。
その年の優勝した中学校は
なんと木村コーチが赴任した中学校だったという。
そのあと、その中学校が常勝したのは
いうまでもなく、もっと言うと
木村コーチがその中学校から
次の中学校に移ったとき、、、
その中学校が次に優勝するようになったそう。
木村コーチの指導を受けた選手は
のちにオリンピックに出場したり、
高校に進学して日本記録を作ったりと
ものすごい成果を上げているらしい。
選手の素質もあるだろうけど、
指導の影響も大きい。
やっぱりコーチの差、
指導の質ってあるよなあ
と思って改めてトップコーチの話は
ためになった。
で、そこから話は繋がって、、、
料理が上手くなる方法
について。
とにかく何でも美味しく作れる人がいる一方で、
レシピがあるのに美味しく作れない人がいる。
違いは「目線」にあると言う。
スライドから引用しよう、、、
料理が下手な人は
常に目先のことで頭が支配されている目線を「引き」の画にして、
俯瞰的に見れるようなアドバイスがあれば
それだけで料理は上手くなる
結局、全体像が見えているかどうか
ということ。
料理に限らずビジネスでも
仕事でも言えることだね。
料理の目的は何か?
ゴール設定だね。
そもそも何で料理作ってるんだっけ
と遠くなるほど上手くなる。
「引き」の目線。
木坂さんの意見は、、、
味、栄養、そして幸福感。
誰と食事したいのか、
といった幸福感が料理のそもそもの目的だろう、と。
外食の方が味や栄養面で優っていても、
家族で食べてホッとする
という幸福感を求めて家に帰るのだろう
という説明があった。
確かにお腹いっぱいになればいい
ってわけでもないし、
美味しければいいってわけでもないよね。
男性性と女性性の違いも興味深い。
男はどちらかというと突き詰めがち。
包丁の柄の材質にこだわったり、
細かい調味料に凝ったり。
女は美味しい領域に入れば
何でもよくて、
あとは見た目を綺麗にしたいとか
なるべくラクをしたいという傾向にあると言う。
女性は食べることは好きだけど、
料理人とかパティシエって男性が多い。
木坂さんも燻製の世界に足を踏み入れそうだと
話していた。
男性性の強い世界だね。。
僕もクレパパのモアイでフランスのサイトから
わざわざナイフをオーダーして作ったくらいだから
気持ちよくわかる。
電子レンジとか麺つゆとか苦手だし。
これはまさに男性性。
麺つゆなどお手軽調味料が
売れているらしいのだけど、
なるべくラクしたいっていう
女性性が前面に出ているのだろう、と。
そんなに味やディテールに凝るくらいなら
見た目を可愛くとか
リソースを他に回したい
って言う女性性の表れだと話していた。
youtubeの料理番組の視聴者のほとんどは
男性という話もあって、時代を象徴している
と木坂さんは語っていた。
こだわる職人気質は男性性の表れだから。
「職人」と呼ばれる人は勝手にひたすら
「美味しさ」を追求している女性(性)が料理を作るときは
「誰かのために」作っているどちらも「魔法」の効果はあるが、
出来上がったものの美味しさの「感じ」は変わるフォーカスが遠くなればなるほど
「全体」が見えるようになる全体が見えれば見えるほど、
その全体を「調和」させようとする全体が調和すればするほど、
成果物のクオリティは高くなる
このようにセミナーでは解説があった。
調和の美というのは
まさに女性性。
全体から引いた目線がないと
時代には受けない。
積み重ね方式は男性的。
木坂さんの友人の女性の話が
興味深くて、何を作っても料理うまいらしく
どんな工夫しているのかを聞いてみたらしい。
やってることはフツーで
当たり前のことしかやってないという回答。
ただ、、、
「あ、ひとつだけ気をつけてることある。
美味しくな〜れって言いながら料理している」
とのことだった。
小さい頃におばあちゃんから教わった魔法だそうで、
おいしくな〜れ、おいしくな〜れって
食べてくれる人のことを想いながら作っているのだとか。
なんだかバカげているような話だけど、
ボールコントロールの話と一緒で、
フォーカスが遠いから料理がうまくいくのではないか
という解説だった。
とにかくゴールが美味しければ良い。
祈っていつものことをやるだけ
おばあちゃんの知恵袋的な話だけど、
科学的に証明されてきただろう
という話。
興味深いね。
おいしくな〜れ、おいしくな〜れの魔法で
ある程度うまくなった料理を男目線で
より美味しくできる。
こういったブログやメルマガのライティングも
一緒だと僕は思っていて、
目先のライティングやコンテンツにこだわるより、
読み手の顔を想像して想いを込めて
書くと良いものができると個人的には思う。
女性性と男性性、
どちらも大切。
全体が見えている状態でも
手元に集中できているかどうか。
木も森も「同時に」よく見えていること。
多くの人は森をあまりみていない。
ロジックでガチガチになりすぎずに
遊びがすごく重要。
特に勉強が好きな人は
理論に偏りがちだから
もう少しセンスを入れると良いバランスになるだろう、と。
ここで「センス」の解説があった。
木坂さんはセンスを、、、
瞬時のコーディネーション能力
と定義していた。
全体の状況を瞬時に把握して判断する適応力。
今、センスを鍛える研究が最先端で、
トップコーチが行なっているコーチングも
シンプルなこと。
あえて制約を与えて
そこにフォーカスさせると
状況に適応することで
センスは鍛えられていく
というもの。
プレイヤーに勝手気ままに自由にやらせるのではなくて、
制約を作ってあげる。
まさに環境設定だね。
SWSのルールメイキングも似ている仕組みだと思う。
興味深いのは脳はトップダウンの機能ではない
ということ。
目からインプットされた情報は実は2割で
8割は勝手に脳が情報を編集して
物語を作っているのだとか。
全体性は常に「物語」の形式をとっている。
各パーツをコーディネートして行う物語。
物語は脳にとって心地よい「つじつま合わせ」。
アートとサイエンスを併せ持った物語を形作れる
センスを磨いていこう。
時代が求める両輪のバランスに
うまく調整できるのが選ばれるリーダーだからだ。
そのためには、、、
1.自分の両輪のバランスを知る
2.時代の求める両輪バランスを知る
3.チューニングする
という3ステップが最後の落とし所。
自分がどれだけズレているかを知って、
チューニングすれば良い。
ポイントは
フォーカスをどこに置くのか、
というところだね。
目線は近いのか遠いかを知ること。
例えばセールスコピーでも同じことが言える。
フォーカスしたキャッチコピーは受けない
という話があった。
同じセミナーの内容であっても、、、
「自分史上最高の身体」
は受けがいいけど、木坂さんが
「圧倒的筋肥大」
みたいなキャッチコピーつけても
時代には受けない、と(笑)
コンサルやコーチングも
同じことが言える。
トップコーチがやっているのは
シンプルなたった2つのことだった。
・キューイング(指示)
・環境設定(制約をつくる)
この2つ。
この2つが揃うことで良いコーチになれる
というまとめだった。
例えば、ヴィジョンを描こうはアート。
ミッション発見もアート。
コアバリューの発掘もアート。
これだけでは不十分で、
こうせざるを得ないという状況を作ることが
大切だと解説があって、
ここが個人的には一番の学びになった。
一番重要なのは、
具体的にどうしたいいのかを提供する
制約設定だと。
子育てでも同じことが言える。
包丁が近くにあって、
危ないから触らないで〜
っていうのではなくて、
そもそもそこに包丁を置かない。
包丁を置かないことで
包丁で遊べないという制約を設定する
ということ。
触らないで!
はキューイングで、
適切なキューかどうかは状況次第だね。
セミナー後の蟹会食の時に
話してくれたがトップコーチは、、、
残り10%だったとしても近いキューイングはしない
とのことだった。
もう90%まで達成していて
最後の一押しすらも
なるべく遠いキューイング。
ビジネスでいったら
背中を押すこともしないということ。
適切なキューと制約をつくる環境設定。
これが誰かにアドバイスすることや
指導のポイントなのだろう。
確かに一流の人や成果を出す人って
あれこれ考えずに淡々とこなしている人が多いよね。
自由な社風のある会社の社員やクリエイターなんかも
自由に見えて、自分で自分を律する制約が自然とできているから
とのことだった。
自己規律できないなら、ルールで縛る。
制約をつくる。
これめちゃ重要だよね。
では、今日はこの辺で。
僕の最後の投稿は12月31日。
また月曜日。
島田晋輔
PS)
ワイルドサイドを歩こうよ
に続く新メディアはこのブログでも
発表する予定。
ニュースのコーナーで紹介しますね。
PPS)
今日の一曲はこちら、、、
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