当時のゲームクリエイターに、そういう発想は難しかっただろうね。「キャッチーに作っていく」とか「ウリの要素をただ足すだけでなくて抜き出していく」みたいな、プロデューサー的なセンスはあまりなかったと思いますよ。
鳥嶋和彦
鳥山明や桂正和を世に送り出した
伝説の編集者マシリト。
いまは、白泉社の代表をやってるみたいだね。
先ほどの引用は彼のインタビューからだけど、
学びや気づきの多いインタビューなので、
メモを取りながら何度も読み返してしまった。
せっかくなので、備忘録的に
鳥島さんのセリフを引用しつつ、
いくつか記事を書いてみたいと思う。
で、今日はクリエイターとプロデューサー。
鳥嶋さんはジャンプのひとって
イメージが強かったけど、
「漫画は好きじゃないけど、ゲームは好き」
ってインタビューでも答えてて(苦笑)
我が道をいくワイルドサイドウォーカーだった。
ゲームのプロモーションに関しても
なかなか先をいっていて、、、
職人気質なクリエイターは
単なるコンピューターオタク上がりだから、
そもそも「売る」発想がない、と。
鳥島さんはそのあたりのスタンスというか
ポジショニングが絶妙で、自分の役割
仕事をよくわかっていて
仕掛けていた。
流儀という言葉を使っていたけど、
まさにこの言葉がぴったりで、
自分の仕事のスタイル、コアというものが
明確になっているのを強く感じる。
たとえば、プロデューサーとして
クリエイターを売っていく場合、
徹底した読者目線で取り組んでいるという。
職人気質のクリエイターは自分の作ったものに
思い入れや愛着がある。
読者目線で「そういうクリエイターのエゴをいかに断ち切るか」にある
と、鳥嶋さんは自身の仕事の在り方を
言われているように、いかにダメ出しをだせるか、
ノーと言えるかが大切かと思う。
舞台に立つタレントや作り手となるアーティスト、クリエイターに
やりたいように、つくりたいようにやらせてはヒットは生まれない
と鳥嶋さんは言っている。
コンテンツは自由につくらせてはいけないのだ。
そこに他者としての視点、目を入れること、
駄目出しやツッコミを入れることこそ、
外部のプロデューサーやプロモーターの役割であって、
良しよし、それでいいんじゃないと丸くおさまっていては
意味がない。
鳥嶋さんは今の編集者は単なる連絡係になっている
と嘆いたりもする。
SWSミーティングなどでもよく話すのだけど、
僕たちは御用聞きになってはいけない。
いかに鋭く作り手や発信者のエゴを見抜き、
受け手の視点に立ってノーと言えるか、
ここが大切なポイントである。
起業支援や経営の相談もたいていそうで、
自分にぴったりで我が強く、それが限界になってることが多い。
そこにノーを突きつけて、破壊し、
新しい種をまく土壌をつくる。
それがプロデューサーやプロモーターにとって
大切な仕事だと思う。
相手のいいなりになっていたり、
ご機嫌をとっているのでは意味がない。
この辺は向き不向きがあるだろうけど、
もし、プロデューサー側の仕事をしたければ、、、
目の前の大切なひとにノーと言えること
鳥嶋さんの言葉を借りれば、
いかにエゴを断ち切るか
それが大切になってくると思う。
ではでは、今日はこのへんで。
明日も鳥嶋さんのこと書こうかな。
島田晋輔
PS)
読み込んだインタビュー記事はこちら。
PPS)
今日の一曲はこちら、、、
今井先生や木坂さんに通じるものがあるなぁ、と感じました。
インプットの仕方で結果が変わるというか・・・ありがとうございます〜
どのあたりが通じてましたー??
読めば読むほど、結構あるんですけど、例えば
「読みやすい漫画と読みにくい漫画」に関して
→木坂さんの内容と形式の話。「7つの鍵」の「理性 vs 感情」。
「下手な鉄砲数撃ちゃ当たる」(スマッシュヒットとビッグヒット)に関して
→今井先生の企画書5,000本。量稽古。
「ストーリーじゃなくてキャラクター」に関して
→今井先生の「あなたの日常は?その日常が商品である」
→木坂さんの「読まれる人でないと読まれない」という話と「7つの鍵」第8の鍵と最後の鍵。
・・・まだまだ出てきますね、コレは。
島田さんの言葉を借りると、「抽象度を上げれば同じことなんですよね」。これを体感できました。
ありがとうございます〜
なるほど、なるほど。
確かにいろんなところで、話の通ずるところはありますよね!