Walk on the Wild Side〜ワイルドサイドを歩こうよ〜

お父さん、1000万円の借金を抱えたみたいよ…

From:秋山大介

あれは、確か小学2年生のとき
だったと思います…

その言葉は、突然言い放たれました。

「お父さん、1000万円の借金を抱えたみたいよ…」

と母から。

しかも、笑いながらでもなければ、
怒りながらでもなく…

その怒りを通り越して、
それがある意味、怖く感じるような口調で。。。

 

ちなみに、その借入額ですが、
確か記憶では、1500万円前後だった気がします。

いや、1200万円かな…

いずれにしても、1000~1500万円の間です。

 

ということで、、、

我が家や、一夜にしてではないですが、
「1000万円」の借金を抱えることになったようです。

そんなことを、
小学生のとき、唐突に私は母から聞きました。

 

ですが・・・

これは結局、母の勘違いと言いますか・・・

私も母を説得ではなく…(汗)

母に理解してもらうのに、
会計事務所や銀行を巻き込んで大騒動になりましたが、

「会社の借り入れ=借金=悪」

という図式が母の頭の中にあり、
あの言葉につながったようです。

 

私の母は、家業の経理を担当していますが、
会社経営は決してできません。

これは会計事務所の方とも話していますが、

○経理業務・会計業務=「過去」を記録するもの

○会社経営・(財務業務の一部)=「未来」をつくるもの

と、、、時間軸が全く違うので、
過去の出来事を記録する経理業務はできても、
「未来」をつくる業務はできないのです。

 

しかし・・・

(これを言ってしまうと、気を害する方もいらっしゃるかもしれませんが)

その現実的な業務の役割の違いとは裏腹に
世間では

「経理をやっているから経営もできる」

と言ってしまう人や。。。

「私が会社を支えている」

と言ってしまう経理の方が多いでしょう。

前者に関しては、家業の会社では、
いまだに、母が経理をやっていることで
「母が会社経営」をしている勘違いされています。

後者に関しては、周囲の社長から
よく耳にする話です。

 

でも、シンプルに言えば

「経営は未来を作るもの」=「灯りのないところに灯りをともす役割」

「経理は過去を記録するもの」=「今まで自分たちが進んできたルートを記録する役割」

ですので、どちらが会社を支えているもありませんし、
そちらかの役割が入れ替わるもないでしょう。

もちろん、役割のオーバーラップや
状況によっては交代もアリ得るかもしれませんが、
それは通常考えられないものです。

と・・・

この話をすると
このまま一つのコンテンツができるので留めますが、

 

だから、父は母にほとんど何も言わず、
そういう事態を引き起こしたのでしょう。

今、こうやって改めて仕事でも母と一緒になると、
父がその選択をしたのが非常に理解できます。

 

とはいえ、、、

この1000万円の借入は、
20歳を過ぎてから、話を聞く限り

「決して良いものとは言えない」

ものでした。

 

 

なぜなら・・・

「そこに理念・軸がなかったから」

です。

 

 

あったのは・・・

「下心=儲けたい欲求」

だけだったからです。

 

 

私も26歳のときですかね、
大学院にいるときですから・・・

そのときに父に、このときのことを聞きました。

すると、父はこんなことを言いました・・・

オレは、中小企業というか小企業の社長…
いや、社長はお金さえ出せば誰でもなれるから、
みんなからオヤジと言ってもらえればいいんだ。

社長の肩書はエラくもなんともないから、こんな小企業では。
自分がお金出して始めれば、みんな社長なんだから。

でも、あのときは勘違いしていた

社長だからというわけではないけど、
何か周りから持ち上げられ、良い気持ちになり、
それで畑違いのことに手を出した。

そしたら、最終的にはトントンで終えたけど、

『もう二度と本業以外には手を出さない』

周りから何を言われても

『売上の拡大は狙わない。自分の器に合わせる』

と。

 

あの借入の経緯を少し話すと、
このような経緯でした。

○バブル期で色々な会社がイケイケドンドン

○社長は何かやらないのですかと、周りから焚き付けられる

○社員の奥さんが「雑貨店」を始めたいと言っていると聞く

○社長である父は「スポンサー」になると決意

○銀行に借入

 

いまマーケターとしても活動する私からすると、
この雑貨店は

「出す前から負けが決定」

のものでした。

 

小学生の私も「ここでいいの?」と疑問の立地で、
「これ誰が買うの?」という疑問の商品でした。

今思えば、その感覚が完全にあっていたということでしょう。

ただ、それはその雑貨店の話です。

それはそれで良いです。

それよりも何よりも、
この話で「負けが決定」していた理由は

「父が自分の軸ではなく『下心=儲けたい欲求』で意思決定したこと」

でしょう。

 

家業は、内装業です。

雑貨店とは、一ミリも関係ありません。

家業では、店舗ビジネスのように

○立地
○天気
○人通り
○広告

が売上を左右することはありません。

というより、これらの要素は全て必要ありません。

ですが・・・

店舗ビジネスはこれらが
売上を大きく左右します。

なのに、父は全く知らないビジネスにも関わらず、
ここに1000万円以上の資金を注ぎ込んでしまったのです。

 

そして、結果は1年続けたそうですが、
収支はトントン。。。

結局、初期投資分だけがマイナスになり、
それを本業である内装業の利益で補填したようです

それに加えて、、、

それまで中心を担っていた、
その奥さんをもつ社員は、自ら会社を去るという始末。。。

全てを失ったわけではありませんが
まさに

「人もお金も失った」

のです。

 

父はこれを教訓に、、、

『もう二度と本業以外には手を出さない』

『売上の拡大は狙わない。自分の器に合わせる』

これを固く決意したようです。

 

だから、そういった意味では、

「あの経験があったから、自分の軸が明確で強固になり良かった」

といつも振り返っていました。

 

もちろん、売上の拡大を狙わないのは、
それだけ、事業を通じて幸せにできる人が増えないというジレンマもあります。

ですが。。。

事業が倒れてしまったら、
それすらできないですし、今いる社員に迷惑を掛けるでしょう。

だから、この父の軸は、
これで良かったのでしょう。

そして、それを私も引き継いでいます。

ただ、一つ違うのは3代目につなぐことを考えると、
組織の能力的な意味で売上の拡大をしないといけないので、
自分の器を大きくして、売上の拡大を計画しています。

 

ちなみに、、、

私が日頃大変お世話になっている
幼児教育の事業をされている方も、同じようなことを言っています。

「あの事業での失敗があったから、
自分は『このモデルの事業』以外はやらない」

と。

その方の場合は、本業の事業がどうしても法規制が入るところで、
法律次第で、売上も利益も変わってしまいます。

だから、常に新規事業を起こしているのですが、
その新規事業には軸がしっかりあります。

「このモデルの事業」=「継続課金モデル」

これ以外はやらないと軸を持っています。

その方にとっての得意ジャンルはこのモデルで、
プロモーションなどで大きく売上を上げるのは
自分の分野ではないと言っています。

 

だから、新規事業は業種は違っても、
必ず「継続課金モデル」のものを展開する。

これは固い決意のようです。

 

きっと、私もその軸に惹かれて

「お金は気にしないので、とにかくご一緒させていただけませんか?」

と提案できたのでしょう。

 

もし、それがなければ・・・

その言葉はでなかったかもしれません。

先日の「ゲリラにも理念は必要です!」と同じように
まさに理念、ミッション、軸、こういったものは
本当に重要なのでしょう。

ただ、悲しいかな、それは失敗からしか
学べないということでしょう。

私も失敗を重ねながら
何が「軸」と考えるよりも

「○○は違う・やるべきではない」

と、まるで彫刻のように外側をげずることで、
輪郭が徐々に出てきて、自分なりの軸ができたような気がします。

 

ー秋山大介

 

 

PS)

「今日の一冊」は、こちら、、、

まさか「徳」という言葉を出すとは・・・

徳につながるのが、まさに軸ではないでしょうか?

 

 

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この記事を書いた人

経営管理修士(MBA)を取得しておきながら「倒産寸前からV字回復を経験」した経営コンサルタント。倒産させたら「経営管理修士(MBA)はしょせん実践では使えない…」と言われてしまうと思い、その知識を使いつつ地べたを這いつくばる戦略でV字回復させる。得意分野は「人材育成」「マーケティング」。 現在は、これまでの経験を活かし、家業の会社を経営しながら、コンサルタントとして活動中。顧問先からは、経営者の視点での人材育成やマーケティングのコンサルティング手法に定評がある。

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