Walk on the Wild Side〜ワイルドサイドを歩こうよ〜

見栄

「見栄で寿司屋に来るような
 客っているじゃないですか?
 だから、うちはプロ野球選手とか
 お断りしてるんです。」

銀座で20年やっている
お気に入りの寿司屋の大将が
こう言った。

大将の人柄もあって
敷居はやや高めだが、
良いものを解るひとに、
適正な価格で提供したいっていう
姿勢から、価格は質に対して低めだ。

変に高く設定すると、
寿司を食べに来るのではなく、
ステータスとして銀座にオネエチャンを
連れにくる客がいるから、
あえて価格を下げているという。

残念ながら僕は参加できなかったが、
先日の食いトレ部の活動で
六本木遠征に行ったギャングなウルフが
まさに、オネエチャンを連れていく
ムダに高い肉屋だという。

味よりもお金を食べに行く感じだ。

スーツとか靴とか
ファッションなんかもそうだけど、
他者の目を優先すると、
ムダに高いものを買おうとする人がいる。

他者の欲求を満たすためだろう。

スーツっぽいものや
靴っぽい何かにお金を払ったりね。

ラベルやロゴ、ブランド名に
お金を払う人。

モノなんて何でもいいのだ。

大将は言う。

「本当のお客さんは、
 外国人と子どもなんです」

外国人や子どもは、
ムダな知識がないから、
純粋な舌で判断されるから
だと大将は言う。

ほとんどの大人は、
半分は頭で食べているようなものだから。

だから、偏見のない純粋に舌だけで
勝負してくるお客さんを大将は歓迎し、
見栄で寿司を食べにくるような
中途半端な客は拒絶する。

そう、この大将はよく
「勝負」と言う。

暖簾をくぐった客の姿を一目みて、
戦略を立てるらしい。

僕はこの寿司屋に行くときは、
iPhoneの電源を切り、
朝から胃にはなにも入れずに
プチ断食状態で勝負に臨む。

もちろん、酒は入れない。

大将が出してくる寿司を通して、
淡々と対話をするだけだ。

客に媚びず、迎合せず、
むしろ拒絶する。

そんな寿司屋に足を運ぶたび、
狂ったチューニングが少し整う。

見栄からちょっと距離をとったとき、
風景がまた変わる。

では、また。

島田晋輔

PS)

今日の一曲はこちら、、、



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