Walk on the Wild Side〜ワイルドサイドを歩こうよ〜

バトン

「おばあちゃん、ザリガニはどこへ行ってしまったの?」

と泣きながら尋ねていたらしい。

虫や動物が好きだった僕は
小さなころ、祖母とザリガニといっしょに
お風呂に入ってた。
(記憶はうっすら)

入浴中にそのザリガニが排水口から
逃げてしまって、悲しんだ僕は祖母に
ザリガニがどこへいったのか
聞いていたというのだ。

「さァ、、おとうさんや
おかあさんのところへ帰ったんじゃない?」

そんな風に祖母は答えていたと思うけど、
とにかくNOとはいわずに
なんでもやれ!と幼い僕の興味のままに
自由にしてくれたのをよく覚えている。

子どものころから
虫や動物など生き物が好きなのは、
間違いなく祖母の影響であろう。

人と動物、人間とペットと
分けて愛する人は多いけど、
祖母はそういった垣根がなくて
人も虫も動物もみんな一緒という風な
接し方をしていた。

よくもわるくも常識にあてはまらないというか
枠からはみ出て生きているというか
境界線がないというか
とにかく我が強くて我が道を行く感じ。

父は長男で僕も長男だから
僕は祖母にとっては初孫ということもあって
めちゃくちゃかわいがられていたらしい。

本人の僕からしたら比べるものがないので
そういうものだと当時は思っていたけど、
園長を務める保育園に勝手に
僕を連れて行って保母さんに保育させたり、
(まあ、要するに越権行為だよね)
デパートなどの行われる子供イベントで
並ぶ時は人をかき分けて
一番前にズンズンいったり、、、

と、まあ、いま考えたら
なかなかに破天荒っぷりだけど
パワフルな生き方は
子どもながらになかなかの衝撃だった。

あ、それでいいんだ
そうすればいいんだ
という基準が幼心に
芽生えていたからね。

「おとうさん、すごいゆきだね」

と、長靴をはいて外にでた
ひふみといたるが僕に話しかける。

ひふみはもう6歳。

来年、小学生。

鳥取にきたころ
はいはいをしていた
いたるは4月で4歳になり
年少さんとなる。

大雪をみてはしゃぐ
子どもたちの姿に
かつての自分の姿が重なった。

こうやって命のバトンは
受け継がれていくんだろうなあ
と素朴に思ったり。

受け取っていたものを
渡す役目になってきたのか。

いろんな意味で
思い出深い大雪となった。

やすらかに。

島田晋輔

PS)

今日の一曲はこちら、、、



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コメント

    • ジーパン
    • 2017年 1月 26日

    おばあさん、ワイルドサイダーだったんですね。命もそうだけど、背中もちゃんとバトンされていますね。島田さんの背中を通じて、ひふみくんくんといたる君にもきっと伝わっているはず。素敵なおばあさんだったんですね。安らかに。

    • 佐久間
    • 2017年 1月 26日

    命のバトングッときました。おばあさん、安らかに。

  1. 「おとうさん、すごいゆきだね」

    に息子たちを思い出しまして、

    「命のバトン」

    で、ああ、子どもたちは僕ら以上に
    多くのものを受け継いでいくのだな、とふと思いました。

    お祖母様との思い出と教えを、ありがとうございます。

    お祖母様にも、ありがとうございます、と。

    • タイに住みながら日本の雪も体験できるなんて小野さんのお子さんたちも幸せものだと思います。

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