Walk on the Wild Side〜ワイルドサイドを歩こうよ〜

サルトの技術・情熱、Su Misura(スミズーラ)の奥深さと仕事観

受注会でのこと。

リネンのスーツとフランネルのジャケットとパンツ、
シャツの仮縫いを終えて、2つのネイビーの生地で
新規オーダーを悩む。

同じ生地でも風合いや色味も異なるので、
仕様によって。

コートにするならこっちの生地で、
ジャケットやスーツ、ジレなんかは
こちらの生地が良いとコスタが
勧めてくれる。

結局、受注会の時間が
遅くなってしまったので、
検討にしたのだけど、
コスタは気を利かせてくれて
生地を切って僕にくれた。

國澤さんからは、
こんなメッセージをいただく。

当日ご検討頂きましたネイビージャケット or シングルコートどちらも活躍することは
間違いないと思います。どちらも流行に左右されないワードローブの基本かと思います。
 
どうしても柄物や目新しいヴィンテージに目が行ってしまいますが、クラシックのモノを揃えてから
バリエーションを増やしていくというのが一番間違いのない選択か思います。

そうなんだよね。

銀座のフィクサーである
野崎さんのところで
クレパパの集まりをしたときも
野崎さんも言っていたけど、
タイはネイビーとブラウンがあれば良い
ってのと一緒で、
スーツも結局、シンプルでクラシックなものに
落ち着いていく。

ついついおもしろい生地と出会って
手を伸ばしがちなんだけど、
オーダーだからこそ、
やっぱりシンプルで王道なものを
選択した方が仕立て映えするし、
いろんなシーンで活躍するんだよなあ
と悶絶。

オーダースーツの醍醐味って、
こういった生地選びや仕様について
想いを巡らせること、悶絶も含めて
愉しむところにあるんだよね。

Su Misura(スミズーラ)の奥深さ。

これでいいです、と適当に決めてしまっては
雑すぎるからね、スーツをつくるのにも
人生や生き方が反映されるから
丁寧に対話していきたい。

これはインプットクラスでの訓練の影響もあるだろう。

受注会はいつも至福の時間だけど、
終わってからそれ以上のオトナの時間が待っている。

この日もレストランに行き、、、

と言っても夜遅い時間でいつものイタリアンは
閉まってしまったので、4人で蕎麦を食べ
その後、クラブで飲みながら踊りまくるという
いつものコースでこの日も結局6軒まわって
僕らは6時に帰った。
(コスタ達はまだ六本木に残ってまだ飲んでいた)

確か5軒目のクラブで飲んでいたときのこと。

誰かのモヒートが倒れて
小野さんのモヘアのスーツに
かかってしまった。

まだ多分着用2回目の新作の
フルオーダースーツ。

みんな慌ててヘルプしたとき、
そんなときコスタンティーノが叫んだのは、、、

コスタがなんて言ったのかは
追伸で伝えるとして、
彼はサルトとしてもそうだけど、
人間的にもおもしろくて
エネルギーに溢れていて
一緒にいて学びになることが多い。

そう言えば、手を叩いて笑うことってあるの?
って聞かれることあるのだけど、
コスタたちといるときは
けっこうあるなと思った。

彼の名誉のために書いておくと
仕事は超一流で、
技術だけでなく、独自の哲学、
問題意識、取り組んでいることに
僕は共感している。

イタリアに限らずどこの業界でも
後継者不足なのは変わらなくて、
古き良き服飾の文化も失われつつある。

失われていく技術、文化に問題意識を
持ったコスタは
オーダースーツの原点回帰を試みる。

そもそもオーダーメイドと言うのは、
王様や貴族にこちらから出向いて
受注していくスタイル。

画家や音楽家なんかが
自ら出向いて行って
受注していくというのが
元々のルーツで、
コスタはこれを復活させる。

つまり、ナポリのスーツをナポリ内だけで
受けるのではなく、自ら出向いていって
受注をとり、ナポリに持ち帰って職人に
作ってもらって、また納品にいくという流れだ。

移動型サルトリアの復活。

だから、もちろん日本に来ても店舗はない。

いつもホテルの一室で、
受注会は行われる。
(たまにはクリスマスパーティーなんかも一緒に笑)

受注会場に限らず、レストランなどで
受注やフィッティングを行なっているのを
みたこともある。

仕事に美学を持っていて、
オーダーメイドと言うのは
決して御用聞きではない。

お客が良いと言っても
受注を受けないこともあるし、
無茶な仕事の取り方はしない。

職人への敬意と自分の審美眼、
そして顧客と一緒に育んでいく
愛情がある。

SHiMAにはこれだ!みたいに
決め打ちできたり、
KISAならこの生地でもいける
と勧めて来たり、
ONOはこっちの方が良い
とガンガンと来るのは
自分の自信と相手への信頼の表れ。

なかなか文章では伝わりにくいので
ぜひ一度体験してもらいたいけど、
一流の仕事というものに
肌で触れることができる。

ナポリの名店ロンドンハウスで
働いていただけあって
培って来たものも確か。

ぜひ機会があったら
世界で活躍する
一流の世界に触れてみて欲しい。

島田晋輔

PS)

そうそう、小野さんのスーツにモヒートが
かかって慌ててみんなで拭いていたとき、
コスタが叫んだのは、、、

チープスーツだからニューオーダーしろってこと(笑)

安物なんだからどんどん次を頼め
(自分にお金を落とせ)
ってなかなかこんな時に言えないよね笑

PPS)

今日の一曲はクラブでかかっていた曲を、、、



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