不安しかないです

昨日、黒田博樹投手の広島カープ復帰会見があった。

日本中の野球ファンが驚いた黒田投手の復帰。

以前、このブログでも取り上げたけど、
20億円のオファーを蹴って、
4億円のオファーである広島を選んだ黒田。

最後に野球をやるのはお世話になった広島で、、、
という想いからだという。

金銭面の驚きもあるが、それだけでなく
偉大な記録もかかっていた。

日本人初の5年連続二桁勝利は
達成できたけども、
全30球団勝利は目前だったからだ。

「記録のために野球をやっているわけではない」

と言う黒田は、昨日の記者会見でも
あと18勝で200勝だが、、、
という質問に対しても、

「199勝で引退するかもしれないし」

と言っている。

昨日の会見のなかで、一番興味深かったのが、



――不安と期待どちらの方が大きいでしょうか
 
「不安しかないです」



と言うやりとり。

黒田の広島復帰は、広島カープファンはもちろんのこと、
多くの野球ファンが注目している。

衰退してきた落ち目の選手が戻ってきたのではなく、
第一線で活躍する現役バリバリのメジャーリーガーの
日本球界復帰だから尚更、周囲の期待は大きいだろう。

昨日、広島では民放4局のうち、3局で記者会見が
放映されていたというから関心の高さがうかがえる。

で、本人の、、、

「不安しかないです」

だ。

これだけだと、いろんな風にとらえられるから、
前後の文脈で、もうひとつ注目した答えが、、、



――メジャーの7年間を振り返って

 「一言で言うと、苦しかった。言葉も分からないなかで、シーズンを戦い抜くなかで体力的にも、7年間は楽しいよりも苦しかった」



というもの。

楽しいよりも苦しい。

そして、

期待より不安。

これを聞いてあなたはどう思うだろう?


僕はこの受け答えをみて、
黒田の偉大さを感じた。

やはり世界を相手に結果を残すひとは
ここが違うのだなあ、と。

「不安」というとネガティブなように捉えられていて、

そんなものぶっ潰せ!とにかくやるんだよ!!

みたいなスーパーマッチョな思想が
昨今ではわりとスタンダードだし、
僕も嫌いではないのだが、全賛成ではない。

不安も恐怖も関係ねえ!とにかく突き進め!!

では、残念ながらある一定のところまでしか
いけないからだ。

僕はよく飄々としているとか、
淡々としているとか、
楽観的とみられがちだし、
確かに間違いではないのだと思うけど、
正確でもない。

あまり共感されないのだが、
僕も恐怖や不安を持ち合わせている。

ただ、恐怖や不安との付き合い方が人と違ったり、
見せなかったりするから、楽観的でどうにかなる、
と思っていると、思われがちなだけだ。

とにかくぶっ潰せ!

というわけではなく、恐怖や不安を受け入れて
歩いていくというスタンスだ。

これはいろんな人に話す機会が多いのだけど、
なかなか伝わらない。

ナルトでいう、負の自分と対峙するとか、
FF4のセシルが暗黒騎士の自分と戦ってパラディンになるとかに
近い感覚なんだけど、要は、、、

弱い部分を捨て去るのではなく、
自分のなかで取り込んで、
一緒に歩んでいくというイメージだ。


潰したり、消したりするのではなく、
受け入れるという感じ。

なんとかなるだろうではなくて、
不安や恐怖があるからこそ、
行動できる。

もっとわかりやすく言うと、
努力の源泉。

人一倍不安だから、人一倍準備する。

人一倍怖いから、人一倍努力する。


「よくそんなにやれますね。。」

みたいなことを昔からよく言われるが、
自分のなかでは当たり前だと思っていたから、
逆に、そういう質問がでてくるのが不思議だった。

よくそんなに不安や恐怖を抱えたまま、
なにもせずにいれますねって感じだ。


結局は、自分の弱い部分、、、

不安だったり、恐怖だったりと
いかに向き合うか、が
分かれ目になってくるのだと思う。

不安だからといって、愚痴愚痴言ってなにもしないのは、
もちろん論外だし、ネガティブなことばかり言っていても、
結末は決まっているだろうけど、、、

一方で、キラキラしたポジティブなことばかり言っている人にも
違和感がある。

もっとナチュラルに弱みと対峙する。

自分の恐怖や不安と向き合って行動していくことは、
自分の理想世界に行くために、
避けては通れない道だと僕は思うからだ。

昨日の記事でも紹介した2年半前に行ったセミナー、、、

好きなことや情熱のもてることを仕事にする

のテーマのときでも話したけど、
好きなことや情熱のもてることをするってことは、

ラクをすることではありませんよ

と、はっきり言った。

なんだか、みんないろんな情報に毒されていて
今の苦しい状況から抜け出すためには、
好きなことをすればいいんだ、
と、誤解している風潮がある。

楽しい世界が待っている、
みたいに勘違いしているケースが多い。

いやいや、好きなことや楽しいことを仕事にするとしても、
苦しみや痛みは伴いますよ、と声を大にして言いたい。

悲しいかな、ラクな方に流れるのは
僕たち人間の性だと思うけど、
ラクをした怠惰の先には思い描いた理想郷ではなく、
それなりの世界しか待っていない。

不安や恐怖、苦しみや痛みといった部分は
見えないし、見せないだけで、
うまくいっている人や一流という人たちの背後には
必ず見え隠れする。

特に、黒田のようなトップアスリートみたいなひとや、
アーティストとかクリエイターとかイノヴェーターとか、
なにかを生み出す人、、、
前線で勝負するひとっていうのは、みんなそうだ。

泥臭いものだし、産みの苦しみを伴う。

不安や恐怖、苦しさのない作品、
商売でもなんでもそうだけど、
努力や葛藤の感じられない
薄っぺらなものに人は集まってこない、、、

不安や恐怖と対峙したとき、
苦しいとき、ピンチのとき、
不調のとき、、、

ラクな方に流れるのか、
手を抜くのか、
自分を追い込むのかで、
未来が変わってくるのだろう。

そんなことを黒田の記者会見をみていて
改めて感じた。


島田晋輔

PS)

僕はテレビを持っていないので、
もちろんこちらのYouTubeでみたよ、、、



PPS)

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  • 佐久間

    「弱さと向き合う」は、とても共感できました。
    FF4のたとえも好きですね。

    ゲド戦記のゲドも「影との戦い」で、
    最後は自分の影を受け入れることで
    戦いを終えました。

    この弱さから逃げないことが、
    成長の原動力になるということですね。

    • FF4やゲド戦記、、、
      この手の話、世界各地にありますよね。
      真理のひとつかな、と。
      誰しもが通る道なのかなー、と思います。

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