Walk on the Wild Side〜ワイルドサイドを歩こうよ〜

パスカルとザッキーニ

トルストイの読書会。

1年間、じっくりと一冊の本を読書する
リーディングマスタークラスが
つい先日、やっと終わった。

ほんと、やっと、、って感じで
なかなかの長く感じる講座だった。

それだけヘビーな内容で
セミナー後はいつもぐったり、、、

ハードな講座だった。

最後の会もいつものように、
2グループに別れてディスカッション。

で、最後に発表し、お互いのグループの意見を
すり合わせクラスとして統合していく。

トルストイの「人生論」を課題図書として
読んでいたけど、内容がどうとか
というより、「本を読む」ということを
テーマにしている講座。

もっと言えば、

いかに本が読めていないか

を身をもって体感する場だろう。

ひとりで本を読んでいると、
ついつい「読めている」気になってしまうので、
そういう意味で有意義な講座だと思う。

本を読めている気になっている

というのは、読書だけに言えることでもなくて、
たとえば、音楽でも「聞こえてる」気になっていたり、
人と話しているときも
「話を聞いている、理解している」気になったり、
文章も書けているような気になったり。。

いろんな場面であてはまってくる。

簡単に言えば、結論を急ぎすぎるというか、
答えを勝手に都合のいいように出してしまうというか。

我々現代人のほとんどは、
ショートカット思考に
毒されていることに気づく。

どれだけ読めていないか
ということを受け止め、
そこから丁寧に読み進めて
著者の声に肉薄するという
気の遠くなる作業。

それはそれは険しい道のり。

でも、だからこそやる意味は大きくて、
いわゆる「基礎体力」を身につけることができる。

我慢強さというか、
丁寧にみるクセがつくというか。

この前の秘密結社のミーティングでも、

「なぜ、島田さんは気づいて、僕らは気づけないのか。。」

みたいなことを何人かが口にしていたけど、
これは単純に訓練の差ではないかと思う。

生まれ持ったセンスとか才能というものではなくて、
どれだけ基礎トレをやってきたかの違い。

そういう意味で、この1年間の読書会をいっしょに
やってきた受講者とは何か変な親近感を覚える。

チームでトレーニングを
積んできたというか、
結束感みたいなものも生まれたり。

その受講生のなかにワイルドサイド部員のザッキーニさんも
いまして、これがなかなかのクセモノ。。

最後の回も存在感をしめしていた。

なかなかみんなの質問や疑問を解消させずに、
噛み合わない。。。

木坂さんからもいくつかツッコミが入り、
何回かやりとり。

見方や考えはおもしろいけど、
立場に一貫性がないという指摘があった。

ひよった主観主義だ、と。

主観主義の立場を取りながら、
ときおり客観主義の意見を織り交ぜる。

どうせなら、一貫しないと軟弱になって
みんなが混乱する。

その点、天才パスカルは
ハードコアな主観主義だった、
という話。

たったひとりでも意見を述べる
ザッキーニさんはなかなかカッコイイんだけど、
一貫しないところがパスカルとの違い。

それでも、ザッキーニさんの存在感は
なかなかすざまじく、いつも僕らを鍛えてくれる。

来年もこの読書の講座があるので、
ちょっと気は重いけど、
楽しみと言えば楽しみだ。

なかなかこうやって訓練できる場はないからね。

では、今日はこのへんでー。

島田晋輔

PS)

せっかくなので、人生論にも引用されているパスカルの言葉を引用しよう、、、

———————————————–

 人間は、自然のうちでも、もっとも弱い一本のアシにすぎない。しかし、それは考えるアシである。これをおしつぶすのに、宇宙ぜんたいはなにも武装する必要はない。風のひと吹き、水のひとしずくで、じゅうぶんことたりる。しかし、たとえ宇宙がおしつぶそうと、人間は、人間を殺すものより、いっそう高貴であるだろう。なぜなら、人間は自分が死ぬことをしっており、宇宙が人間のうえに優越することを知っているからである。宇宙はそれについてなにも知らない。それゆえ、われわれの尊厳は、すべて、思考のうちにある。われわれが立ち上がらなければならないのはそこからであって、われわれの満たすことのできない空間や、時間からではない。だから、われわれはよく考えるようにつとめよう。そこに道徳の根源がある。

パスカル

———————————————–

PPS)

今日の一曲はこちら、、、



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コメント

    • Slow Man
    • 2015年 12月 07日

    全て「その気になっているだけ」かもと
    ブログを読んで思いました。

    自己満足を満たせてそこそこの
    暮らしができれば、多くの人たちは
    納得して生きていけるのかもしれない。

    そんなことをつらつらと
    想い浮かべていた頃を思い出しました笑

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